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手織機

草莽論 (そうもうろん)
織(ショク)は、その経糸の組織に何の変化も有しない畔による無紋の織具であり、機(キ)はその経糸の組織に変化を有すべく機台(シカケダイ)を付帯せしめた有紋の織具であります。

古代の日本では織具は神聖な器であったと考えられるのです。それは織具に付けられた各部の名称に神に通じる意味があまりに多いのです。日々細い糸を繰り乍ら布を織り上げていく仕事の過程で今日一日の無事を祈り、家族や愛する者と自分の力を輔けた神々への感謝の祈りであり、悪鬼から身を護り幸せが永く続くことを願う心かもしれない、そのような心が願いとなり祈りとなり織具は神聖な器となったのです。

五世紀ごろ、大陸の高度に発達した数々の工芸品に接した当時の上層社会の人々は、其の卓越した技術の入手を渇望して止みませんでした。織物技術も又その一つであり大陸から技術者を招いて日本の国内で製作を試みました。単色無紋のアシギヌ、カトリと共に単色有紋の綾、多色有紋の錦などの絹織物の製作には従来の織具に機(シカケ)の設備を必要としました。今度は機を造る工人たちが日本に招かれました。その史実は「仁徳記」や「雄略記」に見ることが出来ます。

はるばる大陸から招かれた工人たちの技術は、遠く故郷に残して来た家族や友への断ち難い郷愁と望郷の想いが修練して祈りの心となり辛酸の果て、作業の無事を神々に願う神聖な祈りへと昇華していきました。其の心と共に幾多の改良が加えられ、それぞれの持ち場と共に織機の各部の名称として付けられ形作られてきました。

以来「機」は、日本が世界に誇る絹織物と共に先人の英知とたゆまざる努力と清らかな祈りと共に、神聖な具として千数百年の永きにわたって伝統文化としての「織」を根底で支えてきたのです。今日では神の具という認識は失われ見るべくもありませんが、日本の文化の一翼を担ってきた「織」、それを支えて来た「機」、その「聖なる心」は織機を形作っている各部の名称に今も見ることが出来るのです。

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西村 種一
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